わたしは思い出す I remember
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3月11日に、あかねは生後9ヶ月になりました。

この日は夫が休みだったので、名取エアリまで車で行って買い物をしています。

帰宅して夫がリビングのテレビをつけようとした瞬間、家が揺れ始めました。

長いあいだ揺れていました。

パニック状態でした。

もう少し買い物を続けていたら、どこかで津波に遭っていたと思います。

トイザらスのレジを通ったのが、14時7分。

ムーニーマンのおむつのレシートに打刻されていました。
(2011年3月11日の回想より抜粋)

書影写真

ひとりの女性の育児日記。
その再読をとおして紡がれた
30万字超の追憶の記録。
〈震災〉ではなく〈わたし〉を主語にした
4018日の点描、
想起と忘却の生活史。

“小さな記録”の価値に着目するアーカイブ・プロジェクト
AHA!レーベルより刊行。

わたしは思い出す 書影①
わたしは思い出す 書影②
わたしは思い出す 書影③
わたしは思い出す 書影④
わたしは思い出す 書影⑤
わたしは思い出す 書影⑥
わたしは思い出す 書影⑦
わたしは思い出す 書影⑧
わたしは思い出す 書影⑨
わたしは思い出す 書影⑩

わたしは思い出す
I remember
11年間の育児日記を再読して

発行
2023年1月11日
仕様
W110×H160 / 並製 / 832頁
企画
AHA![Archive for Human Activities / 人類の営みのためのアーカイブ]
取材・編集・執筆・構成
松本篤(AHA!)
デザイン
尾中俊介(Calamari Inc.)
編集
阿部恭子、奈良歩、水野雄太(AHA!)
撮影
水野雄太、松本篤
協力
仙台市
せんだい3.11メモリアル交流館(公益財団法人仙台市市民文化事業団)
デザイン・クリエイティブセンター神戸[KIITO]
発行元
remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]
価格
3,500円(税込)
ISBN978-4-9910760-1-5

※本書は、せんだい3.11メモリアル交流館、および、デザイン・クリエイティブセンター神戸での展覧会『わたしは思い出す』(2021年)の内容に、新たな要素を加えて再構成したものです。

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この本をメディアとなって届けてくださる方々へ

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あなたの「わたしは思い出す」

回想録『わたしは思い出す』を読んで、
あなたが思い出した日付とその日付にまつわるエピソードを募集しています。

展示風景

本書の原型となる展覧会の鑑賞者からアンケートに寄せられたエピソードをご紹介します。

2003年9月15日

父の骨の納骨に行く日です。車で家族を乗せて私が運転して納骨に行くことをになっていました。前夜に家族が久々に実家に集まったのでカキ(海の方)を食べたのですが、どうもそれにあたってしまったらしく、夜中に病院に運ばれて、点滴で治療をしていただき、無事に納骨のために運転手を務められたのでした。まだしびれてフラフラではありましたが。なぜこんなエピソードを思い出したのでしょう…

2020年1月12日

成人式の帰り、振袖のまま母と老人ホームにいる祖母に会いに行きました。老人ホームが成人式の会場から近かった事から、私の気まぐれで会いに行きましたが、6〜7年振りに会った祖母は私の事を覚えていませんでした。祖母の認知症は祖母が17歳の時から、[私の]姉が小さな頃(24、25年前)までしか思い出せないそうで、その事を知っていた母は、きっと私を悲しませないように介護がどんなにつらくても私にはその話を一切してこなかった事を、その時知りました。コロナでもう会う事は難しいかもしれませんが、私の事を知らなくてもいいので祖母に会いたいです。

2011年3月12日

東日本大震災の時、私は仕事で台湾にいました。大学生の引率をしていたので無事帰国できるのか(させれらるのか)とても不安でしたが、情報が限られていたこともあり日本国内の状況はそこまでよくわかっていませんでした。私はそれまで菜食主義で肉を食べないようにしていたんですが、震災翌日、帰国前の空いた時間に現地で一緒に動いてくれていた人が鴨の血で炊いたお米を揚げたカツをごちそうしてくれました。こうやって生きていかなくてはいけないと思い、それ以降は何でも食べるようになりました。

1995年1月17日

夢だと思って二度寝した。起きてTVをつけたら淡路島で地震があって老人がこけた情報を流していた。たいしたことなくてよかったと、その時は思っていた。

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お寄せいただいた「あなたの『わたしは思い出す』」は、
noteでもご紹介しています。

きっと いつか、 忘れて しまう。
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