サンデー・インタビュアーズ

サンデー・インタビュアーズ

その手がかりは、《日曜日》にある。

何を好み、嫌ったのか。
いつ笑い、泣いたのか。
どのように喜び、傷ついたのか。
わたしはもっと知りたい。
あなたと、あなたが生きた時代を。

サンデー・インタビュアーズとは

私たちは、どんな時代を生きているのか──。

サンデー・インタビュアーズは、この問いを探求する“ロスト・ジェネレーション”世代の余暇活動です。

メンバーは月に一度、オンラインで集まり、「今」という時代と出会い直すひとときを過ごします。

活動の手立てとなるのが、東京・世田谷の各戸から提供された「8ミリフィルム」。

スマホやインスタグラムといったパーソナル・メディアの元祖です。

家族の団らん、レジャー、社員旅行などが写る、昭和のホームムービー。

それらの映像は、現在という時代の価値観をくっきりと浮き彫りにしてくれます。

過去を経由して現在を知る。

12人のサンデー・インタビュアーズが交わした、視点と会話の記録。

*本プログラム「サンデー・インタビュアーズ」は、東京は世田谷で収集された昭和のホームムービーを利活用するコミュニティ・アーカイブのプロジェクト「移動する中心|GAYA」の一環として、2019年から2022年度に実施しました。

*ウェブサイト「世田谷クロニクル1936-83」は、世田谷区内で8ミリフィルムを収集しデジタル化するプロジェクト『穴アーカイブ:an-archive』の一環として2019年に制作されました(主催:公益財団法人せたがや文化財団 生活工房、企画制作:remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織])。

*ウェブサイト「世田谷クロニクル1936-83」には、およそ16時間にわたる昭和の世田谷にまつわる8ミリフィルム(84タイトル)が公開されています。

サンデー・インタビュアーズの
3つのステップ

あなた自身がメディア(媒介)となって、オンラインとオフラインをゆるやかにつなげていく3つのステップ。

ひとりで “みる”

ウェブサイト「世田谷クロニクル1936-83」に公開されている84タイトルから1つの映像を選びます。その映像に何が映っているのか、じっくり観ます。

サンデー・インタビュアーズ STEP-1 ひとりで “みる” イメージ
サンデー・インタビュアーズ STEP-2 みんなで “はなす” イメージ

みんなで “はなす”

それぞれの気づきや発見を持ち寄ってワイワイ、ガヤガヤ、オンラインでお話します。自分以外の思いもよらない視点に触れましょう。

サンデー・インタビュアーズ STEP-2 みんなで “はなす” イメージ

だれかに “きく”

さまざまな気づきや発見をさらに深めるため、誰かにインタビューしたり、自分自身の経験を振り返ったり、図書館や博物館で資料を探してみます。

サンデー・インタビュアーズ STEP-3 だれかに “きく” イメージ

*1つの映像に対して、この3つのステップを実施します。
*オンライン・ワークショップは月に1回(約90分)。

わたしの場合

12名のサンデー・インタビュアーズが交わした、それぞれの視点と発見

サンデー・インタビュアーズをめぐるドキュメント

7月から1月までの第4日曜日、オンラインであつまったワークショップの記録

2021年度公募メンバーの2年間

佐伯研、shino、土田悠、八木寛之、やながわかなこ、ラナ・トラン

2022年度公募メンバーの1年間

アキ、aki maeda、小島和子、たにぐちひろき、トヨムラ、まるやまたつや

<著者略歴>

橋本倫史(はしもと・ともふみ)
1982年広島県生まれ。2007年『en-taxi』(扶桑社)に寄稿し、ライターとして活動をはじめる。同年にリトルマガジン『HB』を創刊。以降『hb paper』『SKETCHBOOK』『月刊ドライブイン』『不忍界隈』などいくつものリトルプレスを手がける。近著に『月刊ドライブイン』(筑摩書房、2019)『市場界隈 那覇市第一牧志公設市場界隈の人々』(本の雑誌社、2019)、『東京の古本屋』(本の雑誌社、2021)、『水納島再訪』(講談社、2022)、『そして市場は続く』(本の雑誌社、2023)。

あなたも〈みる、はなす、きく〉を
してみませんか

サンデー・インタビュアーズのワークショップが開催されたのは、新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた時期と重なります(2021年7月–2023年1月)。みんなで集って映像を見て話したり聞いたりする愉しみを、対面せずにいかに実現できるのか。試行錯誤の結果、オンラインで取り組める〈みる、はなす、きく〉という3ステップが生まれました。ここに掲載しているのは、それぞれの自宅から集った12人による、視点と想起の記録です。

映像をじっくり見ながら、みんなと話し、だれかに聞く。そんなプロセスを経て見えてきたのは、〈だれか〉のホームムービーから再生される〈わたし〉の記憶でした。そして、昭和という時代の家族のかたち、働き方、そして余暇の過ごし方でした。

過去を経由して現在を知る──。そんな愉しみに触れるこの3つのステップを、あなたもぜひやってみませんか。ご興味のある方は、下記Q&Aにある問い合わせ先へご連絡ください。

Q&A

Q

サンデー・インタビュアーズには、どんな人が参加していますか?

A

おもに対象としているのはロスト・ジェネレーションの世代の方です。その理由のひとつは、昭和30-50年代に普及した8ミリフィルムというメディアを、カメラのファインダーを覗き込んでいた撮影者の世代の観点からではなく、ファインダーの先にいた被写体の世代の視点から捉え直そうとするところにあります。もうひとつは、当時、8ミリフィルムで記録を残そうとした人の動機の多くが「子どもの成長記録」であり、その年齢層が今のロスト・ジェネレーション(38-50歳ごろ)に重なると考えているところにあります。

Q

活動はいつ行っていたのですか?

A

サンデー・インタビュアーズは、月に一度「日曜日」にワークショップを行います。余暇の時間をつかった自発的な活動を、「日曜大工」や「日曜画家」と呼ぶことがあります。サンデー・インタビュアーズは、私たちが生きる時代を知るための、ひとつの余暇の過ごし方です。

Q

「移動する中心|GAYA」とはなんですか?

A

2015年から世田谷区内で収集し、デジタル化してきた16時間分のホームムービー「世田谷クロニクル1936-83」を生活文化資料として活用し、その時代を生きた人々のオーラル・ヒストリーをアーカイブするプロジェクトです。家の押入れに眠っていた8ミリフィルムには、昭和の世田谷の暮らしや街並みが、市井の人々の視点から記録されていました。サンデー・インタビュアーズは「移動する中心|GAYA」の一環として行われています。

Q

企画や運営をしているのは誰ですか?

A

“文房具としての映像”という考え方を軸に、映像を用いたさまざまな場づくりを展開するremo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]が企画運営を担っています。remoのひとつの事業である「AHA!」というアーカイブプロジェクトのノウハウや知見を活かして取り組んでいます。

Q

ワークショップの企画でサンデー・インタビュアーズの方法を参考にしてもいいですか?

A

〈みる、はなす、きく〉の方法はどなたでもご利用いただけます。映像やアーカイブを利活用する手立てとして、ぜひご活用ください。サンデー・インタビュアーズでの詳しい参考事例を知りたい、アーカイブの利活用に関するご相談を希望される場合は、AHA!までメール()にてお問い合わせください。

Q

なぜオンラインでワークショップを行ったのですか?

A

サンデー・インタビュアーズのワークショップを実施したのは、新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた時期と重なります(2021年7月–2023年1月)。実際に集って会話を交わすことが難しい状況のなかで、それぞれの自宅からひとつの映像を囲む経験をオンライン上で実現するための手立てが〈みる、はなす、きく〉という3ステップです。

Q

「世田谷クロニクル1936-83」の映像を利活用している事例はありますか?

A

映像を見ながら、思い出したことや想像したことなどを言葉にして残していく、小さな集いの場「アカカブの会」や、目の見える人と見えない人が一緒に鑑賞する「エトセトラの時間」での利用、展覧会「世田谷クロニクル」内での活用があります(いずれも主催は公益財団法人せたがや文化財団 生活工房)。また、世田谷区内のケアの現場で利活用を探るドキュメント「ポスト・ムービー・トレイル──昭和の8ミリを携えて街を歩く」もご参照ください。

Q

この活動はどんなことを目指しているのでしょうか?

A

誰かの「記録」を通して、自らの視点を形作っていく。サンデー・インタビュアーズが目指しているのは、その愉しみを分かち合う仲間をひとりでも増やすことです。自分ではない誰かの「記録」を通して、今を知る。自分自身が媒介(メディア)となって、過去と現在、異なる場所をつなぐ経験を分かち合う。サンデー・インタビュアーズは、人がメディアとして活性化することを目指しています。

Q

サンデー・インタビュアーズについて聞きたいことがある場合は、どこに問い合わせたらよいですか?

A

AHA!までメール()にてお問い合わせください。個人情報は厳重に管理し、本事業の運営およびご案内のみに使用します。

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