サンデー・インタビュアーズ

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わたしの場合

小島和子

小島和子2022年度メンバー

1968年生まれ。世田谷に隣接する杉並区に20年以上住む。仕事柄インタビューを行うこともある。8ミリフィルム全盛の時代とスマホで手軽にムービーが撮れるいまとで、「撮る/撮られる」の意識がどのような変化があったのか関心を抱く。

2022年度の〈きく〉

No.69『新百貨店落成式など』26:10No.69『新百貨店落成式など』26:10

動画に撮られている人が撮影者にカメラを向けるシーン。幼い頃に父親がカメラで家族を撮っていたが、自分はそれがあまり嬉しくないと思っていたことを思い出した。ところで、この「撮る/撮られる」の立場が反転したシーンから、最相葉月さんの『れるられる』(岩波書店、2015年)を思い出して再読してみた。「第5章 聞く/聞かれる」では舌と喉の悪性腫瘍のために声を失ったご尊父との筆談を通し、声が出せないことがどれほどコミュニケーションの障害になるかを実感したというエピソードが語られていた。聞いてもらう(=聞かれる)ことが大事なのであって、それは一方通行のメールやチャットでは充足できないものがあるなと。だいぶ前、仕事のメールで伝えたことを確認する電話を入れていたものだった。メールでの失言を電話で挽回できたこともあった。メールが普及するにつれ、電話でのフォローは必要なくなり、さらに最近はZoomを多用することもあり「テキスト→口頭で確認」という流れはほぼなくなった。