サンデー・インタビュアーズ

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わたしの場合

ラナ・トラン

ラナ・トラン2021年度メンバー

1989年生まれ。カナダに生まれ育ち、2013年から東京を拠点に活動。東京藝術大学博士課程に在籍。4年ほど世田谷の下北沢周辺に住んでいる。東京の街の歴史や記憶、感覚をどのように引き出してアーカイブ化し、表現・発信できるかをテーマに、地域型のアートプロジェクトを研究している。

2021年度の〈きく〉

No.74『松陰神社、双葉園、雪の日』09:05No.74『松陰神社、双葉園、雪の日』09:05

このシーンを見ると、トロントの大学のレジデンスで住んでいた学部生時代を思い出す。日本と上海からの留学生であったルームメイトたちは、麻雀の遊び方を私に教えてくれた。他の部屋からもたくさんの留学生が遊びに来て、かなり盛り上がった。彼らはさまざまな地域から来ていたので、ルールについてときどき言い争っていた。私が個室で勉強していると洗牌の「ジャラジャラ」という音がよく聞こえていた。

ワークショップを振り返って

ワークショップを通して、時代や生まれた場所、文化的な背景など、いろんなギャップを感じていました。しかも、コロナで隣の人に声を掛けることもできないですし、どういうふうに自分は「世田谷クロニクル」のアーカイブとインタラクションをつくれるか、最初は迷っていました。だから、アーカイブと自分のつながりをつくろうとすると、やっぱり自分の思い出とか自分の文化が出発点になってしまう。たとえば「麻雀とポーカーの風景って似ているな」とか。そういう比較をしながら、自分の住んでいる場所がわかってくる。そんなふうに考えています。もうひとつの世田谷区と私のつながりがちょっと見えてくるようでした。