サンデー・インタビュアーズ

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わたしの場合

まるやまたつや

まるやまたつや2022年度メンバー

1988年生まれ。映像制作が専門。石川県の加賀市で郷土資料のデジタル化とその利活用に取り組む。自分たちの住む街に関わっている人が「どのような経験や想いをもって生きてきたのか」を感じられるようにしたいと考えている。2019年から2021年まで東京に住んでいた経験がある。

2022年度の〈きく〉

No.48『No.1』01:30No.48『No.1』01:30

部屋をズームしながら写しているシーン。 自分が初めてビデオカメラを持ったとき、部屋の中をいろいろ撮ってみたことがある。そのときの気持ちと「近いな」と思った。中高生の頃、地元が「自分の場所ではない」という気持ちがあったけれど、自分の部屋の中だけは、好きな物を飾ったりすることで、唯一「自分の場所」にできた。ところで、8ミリフィルム時代の「自撮り」は、鏡やガラスに反射する自分の姿を写すことが多いけれど、ビデオカメラでは液晶モニターをひっくり返して直接自分自身を撮ることになる。身の回りの環境を「撮る」ことで自分のものにしていく意識があるとすれば、8ミリの時代はいまよりもっとカメラを通して自分が住んでいる環境と向き合えていたのかもしれないと思った。

ワークショップを振り返って

8ミリフィルムという媒体に対して、「記録を残す」だけではなく「一緒に見て楽しむ」という可能性が多分に含まれているなと思いました。どういうふうに記録されているのか──たとえば、1本のフィルムのなかに、雑貨屋の落成式、戦友会、子どもたちがプールで遊ぶシーンがパッケージされている──ことの意味ってなんだろうと考えさせられました。また、今回のワークショップを通じてお話を聞いた方からは、何か気がついたら昔の話をしてもらえるようになったと感じています。例えば、家の襖を見て自分たちで襖を張り替えていたころの話など。あえて話すことではないけれども、きっかけがあれば話せること。自分にとってワークショップはそういうことを聞ける場にもなったかなと思います。